『現場監督として働くことを考えているけど、自分に適正があるか知りたい』
現場監督に向いているかどうかは、実際に働いてみないことにはわかりません。
ですが、活躍している現場監督に共通する特徴を見ることで、ある程度は把握できます。
私は建設業のゼネコンの現場監督をしており、これまでに多くの監督を近くで見てきました。
そこで本記事では、現場監督歴が長い筆者が、向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれくわしくお伝えしていきます。
現場監督(施工管理)に向いている人の7つの特徴
この仕事に向いている人の特徴は、次のとおりです。
- 建物づくりが好き
- メンタルが強い
- 最後までやり抜く力がある
- コミュニケーション能力がある
- 細かいところに気づくことができる
- 臨機応変に対応ができる
- 体力がある
他にも向いている人の特徴はたくさんありますが、代表的な例を7つだけ厳選しました。
もちろん全てに当てはまっていなくても、現場監督として十分に活躍することができます。
ですが、当てはまるのが1、2個くらいだと、この仕事に向いていない可能性があります。
以下から、現場監督に向いている人の7つの特徴を、それぞれくわしくお伝えしていきます
建物づくりが好き
現場監督の仕事は、正直にいってハードな職業です。
それでも仕事を続けられるのは、やはり『建物づくりが好き』だからです。
苦労した先の達成感は、何にも代えがたいものがあります。
逆に建築に興味がなかったら、長く続けることは難しいかもしれません。
ものづくりの中でも、建物づくりが好きな人は、現場監督に向いているといえます。
メンタルが強い
現場監督の仕事は、メンタルの強さが問われます。
なぜなら、幅広い年代の人と円滑に人間関係を築きながら、突発的なトラブルに対処しつつ、仕事を推し進めていく必要があるためです。
現場の最高責任者であるため、途中で逃げ出すことは許されません。
一度逃げ出してしまうと、一瞬で評判がガタ落ちして重要な仕事を任せられなくなります。
したがって、石にかじりついてでも、仕事をやり遂げるメンタルの強さは必須となります。
最後までやり抜く力がある
工事の現場は生き物と言われます。
実際にやってみないと分からないことが多くて、想定外のトラブルが起きることが日常茶飯事であるためです。
正直に言って、トラブルが連続しておきて工期にも余裕がなくなってくると、絶望した気分に支配されます。
ここで、やり抜く力があるかどうかが、現場監督として成功するかどうかのわかれ道です。
やり抜いた経験をもとに、次の仕事を活かすことができる監督が、出世する人材の特徴といえます。
コミュニケーション能力がある
現場監督は、工事現場のリーダー的な存在です。
そのため、関係各所に対して、分かりやすく物事を伝える力が必須となります。
また、下は10代から、上は70代近くになるまでの現場作業員と、円滑なコミュニケーションを取る必要があります。
コミュニケーション能力がないと、現場では嫌われる監督となり、仕事でトラブルを起こしがちになります。
誠実で簡潔なコミュニケーションをとることができないと、現場監督として成功する可能性は低くなります。
細かいところに気づくことができる
現場監督の仕事のひとつに、作業現場の安全性を確保する仕事があります。
業界用語でいうと、『安全管理』の仕事にあたります。
例えば、工具や電気ケーブルがたわんでいたら、ケーブルに足を引っ掛けないように、テープで固定したりする気配りが必要です。
女性の監督の方が得意な傾向がありますが、最も大切な『命』に関わる部分なので、大雑把な人にはあまり向いていません。
優れた現場監督は、工事全体を把握すると同時に、細かい部分に気づく力も必要といえます。
臨機応変に対応ができる
現場監督の仕事は、全てが計画どおりにいくわけではありません。
むしろ、想定外のことが起きるのがスタンダードです。
なので、臨機応変にトラブルに対処して、新しい工事計画を練り続ける必要があります。
目の前のトラブルに対処しているだけではだめで、常に未来のことも考えていく必要があります。
計画通りに物事が運ばないことにストレスを抱えやすかったり、トラブルが発生したときに臨機応変に動けない人は、現場監督に向いていない可能性があります。
体力がある
身体的な体力があるとは、現場監督して働き続けることで、最も重要な要素のひとつです。
天候の変化によって、工事の計画は大幅に変更します。
そのため、どうしても長時間残業が続くタイミングがあるためです。
また、現場で想定外のトラブルが起きたら、事務処理する時間がなくなり、長時間の残業が必要となります。
想定外のトラブルに対応を続ける体力がなかったら、ずっと活躍し続けることは難しいといえます。
現場監督には覚悟が最も大切な話
現場監督として成功する方の特徴は、この仕事で食べていく覚悟が決まっていることです。
中途半端な気持ちで仕事に取り組んでいると、本来なら成功する人でも、失敗する可能性が高まります。
本気な姿勢を見せていれば、現場では周囲の方から気に入られますし、困ったときに助けてもらいやすくなります。
誠実に仕事に取り組んでいる方が多い仕事であるため、甘えた姿勢でいると干されやすくなるといえます。
逆にいうと、絶対にやり遂げる覚悟があれば、向いていない点も十分にカバーができるといえます。
現場監督(施工管理)に向いていない人の特徴
ここからは、現場監督に『向いていない人』の特徴を簡単にお伝えしていきます。
向いていない人の特徴は、下記の記事で記事でくわしく解説していますので、そちらを参考にしてみて下さい。
ここでは、最も必要となる3つの特徴について、簡単にお伝えします。
- プライベートを充実させたい
- 効率よく稼ぎたい
- 体力がない
やはり、現場監督の仕事は、世間一般の仕事と比較して、労働時間が長い仕事ではあります。
そのため、プライベートを大幅に犠牲にする覚悟があります。
また、年収が高い求人もありますが、残業時間が長くなると、時給に換算して少なくなることがあります。
労働時間が長くて体力勝負な面もあるため、体力に自信がない人は向いていないといえます。
未経験から施工管理に転職する方法
未経験から施工管理を目指す方は、まずは技術者派遣からスタートする方法があります。
この方法をおすすめする理由は2つあります。
- 研修が整っているため
- 現時点のスキルに応じた現場で働けるため
未経験でも応募可能な正社員の求人はありますが、研修が整っていなかったり、いきなりスキルを要する現場を丸投げされるリスクがあります。
いきなり厳しい現場を経験すると、成長できる人がいる一方で、プレッシャーからつぶれてしまう人もいます。
技術者派遣からのスタートでは、着実にスキルを身につけて、派遣先の建設会社からの引き抜きや、大手の会社へ転職することも可能です。
ゆっくり着実にスキルアップしていきたいのであれば、技術者派遣から現場監督のキャリアをスタートするのも賢い選択です。
現場監督でもホワイトな会社は存在する
現場監督の仕事は、どうしてもハードなイメージがつきまといます。
とはいえ、全ての現場監督が厳しい環境で働いているわけではありません。
工期や働く時間に余裕がある仕事もあります。
例えば、マンションの改修工事を専門とする業者は、住環境の周辺での仕事になることから、残業時間が少ない特徴があります。
ホワイトな現場監督の会社の特徴は、以下の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
⇒現場監督(施工管理)のホワイトな会社の特徴と業種【おすすめは改修工事の会社】
まとめ
本記事では、現場監督に向いている人の特徴と向いていない人の特徴をお伝えしてきました。
向いている人の特徴は、
- 建物づくりが好き
- メンタルが強い
- 最後までやり抜く力がある
- コミュニケーション能力がある
- 細かいところに気づくことができる
- 臨機応変に対応ができる
- 体力がある
であることを説明しました。
当てはまる特徴が少ない人は、向いていない可能性があるので、仕事選びに慎重になるべきです。
また、向いていない人の特徴は、
- プライベートを充実させたい
- 効率よく稼ぎたい
- 体力がない
であり、当てはまる場合は職業選択を考慮する必要があります。
なお、現場監督に向いていない人の特徴は、下記の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。。
⇒現場監督に向いていない人の特徴って?|ブラックで理不尽な仕事は辞めるべき理由