・『プラントの施工管理として働いているけれど、激務できつくて大変』
・『ずっと仕事を続けられる気がしなくて、すでに辞めたいと感じ始めている』
プラントの施工管理は、日本に数ある職業の中でも、最もハードな仕事のひとつです。
日系企業で最も収入が高い『日揮』でさえ、若手の離職率が4割を超えていて、若者の施工管理離れが加速しています。
そこで本記事では、プラントの施工管理がきついと感じた7つの理由を、実体験からお伝えしていきます。
本記事を読むことで、プラント系施工管理職の厳しさについて共感できて、今の職場を抜け出して転職に成功する方法がわかります。
プラントの施工管理を辞めたい…!きつい・辛い理由
製油所で施工管理として働いていたときに、仕事がきつい感じた理由は、以下のとおりです。
- 騒音で耳が遠くなるリスク
- 爆発や火災に巻き込まれるリスク
- 覚える知識が膨大
- 立ち仕事で身体への負担が大きい
- 仕事量をコントロールできない
- 工期に余裕がない
- 業務量が多い
- 職人気質の作業員との人間関係が難しい
他にも理由はさまざまですが、代表的な例について8つだけ厳選して、それぞれくわしくお伝えしていきます。
騒音で耳が聞こえにくくなるリスク
製油所のプラント内では、静かな場所と、機械の音で1メートル先の人の声も聞こえないほどノイジーな環境があります。
騒音がひどいところが担当となる現場になると、長期間のあいだ耳がノイズにさらされることになります。
私は無線を使う機会も多かったので、インカムで耳がやられてしまいそうでした。
パチンコなどの接客業で働く方が、インカムで右の耳がやられてしまうのと、同じ現象が起きてしまいます。
実際に年配の現場作業員の方は、耳が悪い方が多くて、声も大きくなってしまう人が見受けられました。
健康で豊かな生活を過ごすために働いているのに、聴力を失ってしまうのは、元も子もないと感じて辞めたいと思いました。
爆発や火災などの事故に巻き込まれるリスクも
火力発電所では、油に火が引火すると、大爆発するリスクがあります。
私が実際に体験した例では、作業員の方が配管に足をかけて溶接作業していた現場で、火災を経験したことがあります。
火災現場は、配管のユニオンが緩んでいて、油が地面に垂れており、溶接の火花が引火した状況でした。
幸いにも、消化器をすぐそばに備えてあったので、事なきを得ました。
ですが、常に大きな事故や、一酸化炭素の発生などのリスクにさらされているのは事実です。
目の前で大事故につながりそうな出来事を目の当たりにして、現場の危険性について再認識しいて、現場から離れたいと考えるようになりました。
必要となる知識量が膨大|一生勉強が必要
製油所で働く上では、必要となる知識量が膨大で、一生勉強する覚悟が必要です。
数学や物理的なセンスも必要となり、面白みも感じていましたが、他の仕事に転用できないデメリットを感じていました。
将来的に主要となるエネルギーは、製油ではなくて電気へ転換するリスクもあります。
一生仕事を続けていく覚悟があれば問題ないですが、途中でキャリアの軸を変えたいと思っていた私にとっては、苦痛に感じる部分もありました。
専門性を突き進めてくと、プロフェッショナルになれる一方で、将来的なキャリアの幅が狭くなっていく罠があります。
生涯をかけて、製油所のプラント設備にしか使えない知識を習得し続けるのが嫌になり、キャリアの軸を変えようと考え始めた次第です。
立ち仕事で身体への負担が大きい
製油所での施工管理の仕事は、時期によって忙しさが全く異なりました。
忙しくないときは、事務所で過ごす時間も多くて、身体への負担は少なかったです。
ですが、シャットダウンメンテナンスの時期や、竣工日が近くなってくると、夜遅くまで長時間の立ち仕事になります。
足が棒にようになり、帰宅するとヘトヘトで一歩も動く気がしません。
翌日も現場に出る必要があると、足が痛いのがずっとストレスでした。
足の痛みについては、仕事を続けることで慣れると話す人もいます。
ですが、そんな話をする人は超人のような体力と働き方をしていて、ストイック過ぎる姿勢についていけないと感じて、辞めたいと感じるようになった次第です。
天候や突発的なトラブルのため仕事量をコントロールできない
製油所での仕事は、長時間労働でしたが、それ自体はそれほど苦ではありませんでした。
むしろ、あらかじめ仕事量をコントロールできないことに、大きなストレスを抱えやすかったです。
例えば、急に雨が振ると、工事の計画を大幅に変更せざるをえません。
また、突発的なトラブルが発生して処理に追われていると、後々に大きなしわ寄せがきます。
仕事量をコントロールできないことにストレスを抱えやすくなり、ずっと続けることが難しいと思い始めたのが、辞めたいと思ったきっかけです。
人間は未来をある程度コントロールしたい生き物
人間の根本的な心理として、将来のことをある程度コントロールしたい欲求があることが、実際の研究で明らかになっています。
実験の対象は、老人ホームの年配の方で、水やりをしてもらう実験が実施されました。
- 水やりのタイミングを自分でコントロールできる
- 水やりのタイミングを老人ホーム側で決める
上記の2つのパターンを試してみたところ、後者のパターンの老人の方が、圧倒的に死にやすくなることが分かりました。
人間はコントロールできない物事に支配されていると、知らず知らずのうちに健康を害するほどのストレスを受けているのです。
工期に余裕がない|竣工日を厳守する必要
プラントは、アパートやマンションとは異なり、何かを生産する設備のことを指します。
したがって、竣工日を遵守できないとクライアントに大規模な損失を与えてしまいます。
そのため、工期に余裕がなくる場合は、連日長時間残業が続くことになります。
施工管理でも、マンションなどの改修工事の監督は、納期に遅れたとしてもクライアントへの損失が少ないです。
数ある施工管理職の中でも、特にプラントの施工管理は、竣工間際の現場が戦争状態になります。
ギリギリの状況が連続して続く仕事では、長期間働き続けることが難しいと考えて、辞めたいと思うようになりました。
業務量が多い
プラントの施工管理職は、シンプルに一人あたりの業務量が多いです。
人手不足も影響していますが、もともと膨大な業務量を、長時間労働で下支えする形の業界です。
私のマックスの残業時間は、150時間から200時間くらいになっていました。
仕事と家の往復だけになり、たまにあるプライベートの休みも、疲れて外出する気がおきません。
お金はたまりますが、ふとした瞬間に仕事だけで人生が終わる未来を明確に描けてしまったので、強い恐怖を感じて辞めたいと感じるようになった次第です。
職人気質の作業員に指示するのが難しい
プラントの施工管理は、本当にたくさんの人と協力して、仕事を推し進めていく必要があります。
中には、気難しい職人気質の作業員との人間関係に苦しむ人もいます。
私のケースでは、理由はわかりませんが強烈に嫌われていた作業員がいて、現場の人員を調整するのに難儀しました。
良好な関係を築くために、一緒に喫煙所に入って雑談したりして、良好な関係を築くように努力をしていました。
ですが、生まれや育ち、年齢も全く異なる作業員の作業員の方たちと、コミュニケーションをとるのに気苦労することが増えました。
その結果、おおよそ同じようなバックグラウンドの人たちと働きたいと思い、転職を考えるようになったのです。
【対処法】続けるのが難しいなら異業種転職もアリ
私は入社して3年目で、プラントの施工管理職から不動産業界へ転職しました。
以下に、私の同期や仕事上で関係があった企業の施工管理の方で、異業種転職に成功した例をあげます。
- ハウスメーカーの営業職
- 水処理プラントのサービスエンジニア
- デベロッパー
- 公務員の技術職
上記の職業が、プラントの施工管理から異業種の転職先の成功例としてありました。
⇒現場監督は異業種への転職は可能?ホワイト企業への転職例をいくつか伝える
私が異業種転職して一番変化を感じた点は、日常生活にゆとりが出る点です。
働く環境が変われば、人生が一変することが分かると同時に、施工管理が世間一般の基準からしても、相当ハードな仕事に位置することが分かりました。
そのため、長く続けることが難しいと考えている方は、できるだけ早めに転職活動をはじめるのが良いです。
早ければ早いほどキャリアの修正がスムーズにいき、少しでも遅れると条件の良い形で転職するのが難しくなります。
ホワイトな施工管理職という選択肢も
施工管理という仕事は好きだけれど、今の職場がブラック労働で抜け出したい方は、ホワイトな施工管理職を目指す道もあります。
例えば、同じプラント業界でも、水処理プラントなどは、安定稼働が基本となるためホワイトな労働環境であることが多いです。
一方、建設業のゼネコンは、全体的に長時間労働の会社が大半を占めます。
ですが、アパートやマンションなどの改修工事を専門とする業者は、工期に余裕を持ちやすい特徴があります。
ホワイトな施工管理職の会社の特徴の記事で、改修工事の業者がホワイトな理由をくわしく解説しています。